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2016 23:15:35
筋緊張が強い人への対応方法とは?
脳性麻痺者や重症児者では、とても緊張が強く、姿勢が反りかえってしまい食事や抱っこ、入浴が大変だったりするお子さんも多いです。
筋緊張ってなんだっけ?
リハビリ以外にはどんな方法があるの??なんて質問があったりしたので、今回はあえてリハビリ以外の所に突っ込んでいきたいと思います。

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引用 http://www.orth.or.jp/Hospital/content/sibire.html
このように感覚神経はそれぞれ決まった領域を支配しています。
なので、神経の部分によっては肩に打ったはずなのに、手先にしびれが出る。と言った事が起きます。

引用 http://www.so-graceclinic.com/apparatus/apparatus/mesotherapy/botox.html
これは、神経そのものではなく、神経と筋の間(神経筋接合部)に作用して、筋自体に力が入らないように阻害するものになります。
これは、美容整形の分野の方で有名な気がします。
顔面に注射すれば、力が入らなくなったりする話をテレビで見たことないでしょうか?
特に痙性斜頸(けいせいしゃけい)とよばれる首の傾きや強い緊張を有する人に使用されます。
効果は約3か月程度とされています。

引用 http://www.city.tonami.toyama.jp/tgh/departments/shinryo/pdf/asahi_0602.pdf
投薬量は、診察時に医師のパソコン型コンピューターにより行われます。
ポンプの交換なども必要で、震災のような緊急時の対応が必要になるので、医療環境に恵まれている事が必要になります。
アメリカでは、次に紹介する選択的後根切断術の適応外の重度な人へ使われます。

1 フェノールブロック
フェノールは『神経破壊薬』と言われています。 ブロックするポイントは、神経幹や神経筋接合部になります。 特に、知っておかなければいけない事が、『痛みやしびれ』が一過性に見られると言う事です。 特に、感覚を感じる為の感覚神経に影響が出ると、ブロックするために打ったポイントと違うところに痛みやしびれを感じることになります。なぜ違うところに影響が出るの?

2 ボトックス

!注意!
特にボトックスでは、リハビリのような運動療法との組み合わせで効果があると言われています。 運動をしやすくなる下地が出来たらしっかりと、効率のいい運動、動作を練習する事が大切です。ボトックスの注意点
特に、頚部によっては嚥下(飲み込み)や呼吸筋の低下に繋がる事があると言われています。 医師の説明、指示をしっかり聞いて下さい!スポンサーリンク
3 整形外科手術
変形の改善や股関節脱臼の改善、防止と言った目的で行われる事があります。 特に、アキレス腱や内転筋の切腱と言ったところが有名ではないでしょうか。 足が開くようになったことで支えなしで座れるようになったり、歩きやすくなる方がいらっしゃったりします。 ただし重心者では、手術への適応が、全身状態の点から難しいと言われることもあります。4 大腿骨切除術
メリットは比較的簡単で手術による侵襲が少ない点が挙げられています デメリットは、異所性骨化(本来骨が出来ない所に骨が作られる)や股関節の屈曲や内転の拘縮(関節が硬くなる事)挙げられます。5 バクロフェン髄腔内投与(ITB)
こちらも名前しか正直知りません!! 抗痙縮薬となるバクロフェンは口から摂取しても濃度が薄い為、直接的に髄腔に流し込む事が必要になります。 筋緊張が強くなる痙縮とは?? このポンプは厚さ27㎜、直径約70㎜、重さ(空時)200gとなっています。 電池寿命は5~7年となっています。
6 選択的後根切断術
脊髄と筋肉を結ぶ神経を切断する技術です。 適応は2歳以上。不可逆的な関節拘縮などの変形等が無い事が条件となっています。 術後の合併症として、感覚障害や運動麻痺と言った神経の問題が挙げられています。 今回は手術に関して、こんな種類があるよ。と言う紹介でした。 一般的にはリハビリの運動療法がネットなどの情報を見ても多いですが、こういった手術療法等の直接的な方法があって、運動療法や生活の基盤が作られやすくなると言った側面もあります。 なので、ボトックスしたからOK!とはなりませんので注意です。あくまで相乗効果と言うイメージの方が良いかもしれません。 また、今回のお話は医師が行う内容です。 参考 重症心身障害療育マニュアルスポンサーリンク
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