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2016 19:05:43
乳幼児期に応じた脳性麻痺のリハビリテーションって?
脳性麻痺というと、生まれてくる段階または生まれて間もない段階での脳の障害を言います。
実は同じ脳の障害でも、成人の脳卒中とはリハビリの方法も大きく異なってきます。

なぜか?
出生時期からの障害なので、全てにおいて経験した事が無い。ということです。 成人のように『失われた機能の再獲得』ではなく『機能の獲得』になります。 0から1へ成長していくのをどうサポートしていくかという事が大切になり、言葉としてもリハビリテーションは機能の再獲得なので、子供には当てはまりません。 巷では、『ハビリテーション』なんて言われます。 そして、乳幼児期から始まり、学童期、成人期と生活、人生の一部分を担う領域としてリハビリテーションがあります。
1.乳幼児期
乳幼児期では、運動に障害がある為、思うように移動する事が難しいことが多いです。 近年増えている脳室周囲白質軟化症のように斜視を伴っていたりすると、物を触って遊んだり、自分から興味があるところへ移動するといった【自発性】が損なわれる可能性があります。 また、自分の接している環境や物の認識が上手く進まないと【概念】と呼ばれる考える基礎を作るのが難しくなったりします。 そして、移動には興味がある所への移動手段の他にも、親に対してかまってほしいという(愛着:アタッチメント)対人関係の基礎にも通じてきます。 概念ってなんだ?についてはこちら2.子供の行動
『欲求 → 行動 → 達成 → 満足』 といったおおまかな流れがあります。 これを障害によって上手く『行動』が出来ない。となると『達成』はおろか行動する為の『意欲』も無くなることに繋がります。 このような障害によって上手く経験できない所に対して、サポートする時に 『意欲、自発性、満足感を育てよう』 というところが、とても大切になってくる所になります。スポンサーリンク
3.リハビリの方向性
Maxとmackeithによると、 1.コミュニケーションがとれる 2.座位が取れる 3.着脱衣、排泄処理が出来る 4.歩行が出来る がリハビリの方向性とされています。軽度から中等度の子供の場合
将来的に自立を図っていくためには、どうしてもコミュニケーションが必要になります。 目に見えやすい、運動機能(歩行)の向上はもちろん必要です。 大切なのは 『移動した先に目的はあるのか』 ということです。 よかったらこちらも読んでください。支援学校での活動 正常パターンと言われる健康な人の体の動きにばかり目が行ってしまうと、その子の発している体のサインが受け取れなくなってしまいます。 まして、無理強いは、先ほども説明したような意欲を無くしてしまう事に繋がりかねません。重度の子供の場合
重度の子供の場合は、生命と直結する問題が多くあります。特に呼吸面です。 痰が溜まらないように『腹臥位(うつ伏せ)』といった、子供にとっては『経験したことのない』ような姿勢が必要になります。 いざ、風邪等で腹臥位姿勢を取らせようとしても、それまで取った事が無ければ、子供は緊張してしまい、更に呼吸が浅くなってしまう事にもなってしまいます。注意点
運動制限のある子供の運動、動作の失敗は、介助がたくさん必要な子供と親に思わせてしまい、全て過保護な状態での育児態度を生じやせやすくなります。 また、子供側にしても、課題が困難すぎる場合、失敗体験が重なると、行動意欲が損なわれる原因にもなる。と言われています。 失敗が多くなりすぎないように気をつけながら、自分から外に働きかける力を養う事が大切です!スポンサーリンク