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こどもの発達を考える衝動眼鏡の日常

02
2016  20:02:49

口から食べることの大切さ、難しさ

食事をとる、食べることを『摂食 せっしょく』と言います。

特に食べ物や飲み物を飲み込む動作を『嚥下 えんげ』と言います。


高齢者の方々でも寝たきりの状態になると、摂食が難しくなっていくように、重度の障害をもった子供もその通りです。

特に、『誤嚥 ごえん』と呼ばれる、食べ物や飲み物が胃に流れずに肺に入ってしまう問題は、肺炎などの命に直結する問題となるため、親をはじめとした介助者はとても神経を使います。


特に支援学校などでも、摂食のニーズは、重症児の増加により、さらに近年増えているように感じます。

今回は、口から食べることについて触れていきます。


おいしく食べる






嚥下障害の出現頻度


はっきりとした数字は挙げられていませんが、脳性麻痺(CP)の85~90%は生きている間に少なからず、嚥下障害が生じていると推測している研究者もいます。


生後1年間の脳性麻痺児を対象とした1996年の外国の例では

・57%で哺乳障害

・38%で嚥下障害

・33%で栄養障害


と推定されています。


誤嚥と死亡率


重度心身障害児者23名の死亡に至る直接の原因が肺炎、気管支肺炎であったものが、11例(48%)、他の12名の中でも5名が気管支肺炎を合併していた。

約半数は、呼吸器関連のことが死亡へとつながるようです。


そして、この呼吸器の病変は、慢性的に反復に起こっていることが示されていました。

推測として、飲食物の頻回な誤嚥により気管支炎、肺炎へとつながり死亡の原因になるだろう。とされています。


運動障害と嚥下障害の関連


65名の重症心身障害児者の中で、21名に嚥下障害あり、寝たきりレベルの状態でした。
誤嚥がないひとは、先ほどの21名に比べて運動障害は軽度で、栄養状態も良かったとされています。

睡眠と誤嚥


睡眠と誤嚥



睡眠中の健康成人の45%で、意識低下している患者の70%で、口や咽頭(のど)の内容物(食べ物など)が肺に達している。とされています。

この様に半数以上が誤嚥による問題を抱えているのが、重症児者の実際だと思います。

また、日中の食事場面だけでなく、夜間にも誤嚥する可能性がわかってきました。

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口から食べる重要性とは?




口から食べる
K.Hurley


1 生きる楽しみ

施設や病院などでは、単調な生活リズムになることが多いです。

そのため、生活の中で多くの欲求を満たすことが難しい状況とも考えられます。

食事を口から取れることで、味などを感じられることは欲求を満たすうえでも大切なことです。


2 コミュニケーションの場

コミュニケーションの場



施設では、多人数に対して介助者が1人と言うことも珍しくありません。
限られた時間の中で介助となると、面と向き合って介助をするということが難しくなるのも実際です。

まして、経管栄養と言われる、管から注入される場合は、さらにアイコンタクトや声かけなどのコミュニケーションは減ってしまいます。


3 消化管の機能維持

長期間の経管栄養を投与されると食道胃粘膜の萎縮、易出血性(血が出やすい)が認められたそうです。
一日一回でも経口摂取できるものは萎縮が確認されなかった。

という報告もあり、口から食べることの重要性にもつながります。


4 細菌転移

腸のバリアー機能です。

IgAや細菌毒素が腸管を超えると全身的な影響が懸念されます。

例えば、敗血症です。
経腸栄養で、腸管機能が維持されるとされています。



5 生命予後

経口摂取と経管栄養では、8倍上も死亡率に差があり、知的障害の程度も死亡率に影響を及ぼすとされています。
(Strauss D et al, 1998)


摂食の計画について

では、実際に経口摂取での計画を立てるときに、どのような点が重要なのでしょうか?



Lowanによると・・・

1.安全に経口摂取が出来る

2.相互に楽しめる食事介助が出来る

といった二点が、安全性と質の両方の点から必要と言っています。




この様に、口から食べること、消化器官を経由するように(静脈栄養でなく)管理することが、生命維持などの点だけでなく、生活や人生の質にもつながることを踏まえて、食事を見直すことが重要ですね。

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