07
2016 20:08:04
子供の脊髄損傷? 二分脊椎の原因とポイント
タイトルにもあった脊髄損傷は、交通事故等で背骨の中を通っている『脊髄』が損傷されてしまい、損傷された神経から下の身体に麻痺が出る。といった症状がでます。
子供の場合でも、生まれてくる段階で同じような症状が出てくる病気があります。
それが『二分脊椎』と呼ばれる病気です。


二分脊椎って?
生まれてくる前(胎生)の神経管の形成、閉鎖不全によって、皮膚や背骨(脊椎)、脳や脊髄にわたる奇形性の病気とされています。 脊柱管内の組織が出るかでないかで、2種類に分けられます。 脱出している場合 :嚢胞性二分脊椎(のうほうせい) 脱出していない場合:潜在性二分脊椎(せんざいせい)原因
母体の葉酸欠乏 参考 『神経管閉鎖障害の発症リスク低減のために妊婦さん等に対する葉酸の摂取に関する情報提供要領』 また、厚生省によると、1日0.4mgの葉酸摂取を心掛けるよう呼びかけているようです。発生頻度
1人/1000人 地理的、人種的に差が有るそうで、日本では0.16~0.20程度とされています。病態
脊髄髄膜瘤(せきずいずいまくりゅう)
こちらが嚢胞性です。 脊髄組織が、背骨から脱出して皮膚欠損している部分へ押し出される状態です。 中枢神経奇形を合併する事が多い状態とされています。潜在性脊髄閉鎖障害
こちらが潜在性です。 表皮や、神経に異常が無く、椎弓(背骨の後ろがわの骨)が開いてしまっている状態です。脊髄係留(けいりゅう)症候群
脊髄髄膜瘤では、乳幼児期には無症状で経過するが、幼児期から学童期にかけて神経症状が悪化する。(田仲 1985) このような状態を脊髄係留症候群といいます。 係留は神経が伸びずにそのままの位置に留まる事をいいます。 なので、成長に合わせて神経が伸びるのでなく、引きのばされる状態となり、神経症状が悪化してしまう状態となるとされています。 図にまとめるとこんな感じ引用 http://www.geocities.jp/blackwildhamster/nibunsekitui.html
スポンサーリンク
診断~気をつけたい合併症について
1 出生前診断
超音波診断法による胎児水頭症、脊髄髄膜瘤の診断2 早期手術
24~48時間以内の閉鎖、修復術。 放置は簡単に感染を引き起こすとされる。3 水頭症治療
80%以上に水頭症を合併する、とされています。 有名なものとして脳室腹腔短絡術(VPシャント)があります。引用 http://neurosurgery.med.u-tokai.ac.jp/edemiru/seijou/chiryou.html
注意が必要な初期症状!
・顔色不良 ・活気が無い ・不機嫌 ・興奮 ・傾眠 ・頭痛 ・吐き気 ・けいれん 等が挙げられます。4 キアリ変形
延髄(えんずい)や小脳といった脊髄に近い位置にある脳が、脊髄方向に出てきてしまう状態です。 80%程度の合併が確認されているそうです。(青木,諸根,佐藤 1992) 延髄と言えば、呼吸中枢等の生命維持にかかわる所です。 呼吸の異常(呼吸が無くなる無呼吸発作、飲食物の飲み込みが困難)といった症状は特に気をつけるべきポイントになります。次回からは、リハビリなどの内容に触れていきたいと思います。引用 http://遠隔画像診断.jp/archives/18387
スポンサーリンク
- こちらも読まれています
-
- 子供の脊髄損傷? 二分脊椎の原因とポイント
- 二分脊椎のリハビリとは?
- 子供の脊髄損傷? 二分脊椎の原因とポイント